舞台は東京、出版社で編集者として勤めている主人公のさやかは婚約者の部屋にいた。しかし、婚約者の浮気に気づく。彼と口論の末に、部屋を飛び出したが、彼は追ってきてはくれなかった。

婚約し寿退社を決めて、会社側の手続きも終わっていたが、なんとか上司に掛け合い以前とは違う雑誌で復帰できることになった。しかし、そこには衝撃の条件があった。それはライフスタイル誌の敏腕編集長がさやかを引き取る代わりに出した「半年以内に結婚すること」だった。理由は結婚特集をすると雑誌が売れるため、「婚約破棄された」主人公、自らが体当たりで取材し記事にするため。

敏腕編集長はサクサクとさやかが婚約破棄されてしまった謎を解いていく。そこには婚活のポイントがちりばめられている。

  • 男性から見て、女性市場において価値が低いと思われていること。しかし、女性は見せ方次第で価値をあげることができる。
  • 婚活においては異性の意見を聞くこと。同性や自分の考えは偏っていることがある。
  • 相手の言いなりにならないで、相手のニーズを満たすこと。

ライフスタイル誌ということや、編集長の経歴からも、ハイブランドの歴史を交えての説明が続く。

四、いかなるときも、自分を愛すること。自分を傷つけることなく、自分を磨いて、自分を大切にすること。

ときには全てをリセットすることも必要である。リセットするために最も効果的なことは掃除だ。「忘れたい過去とつながりがあるものを視界に入らないよう排除しておく」「ボジティブになれるもので身の回りを満たす」

  • 空いている市場を見つける。顧客(男性)の要望に徹底的に答える。例えば洋服。自分の着たい物を着ても良いが、男性がどんな服を好きなのか、着て試してみることも大切だ。
  • 常に市場にいること。要するに男性に囲まれている状況を作っておく。母数が多ければ、自分からアプローチできる人、アプローチしてきてくれる人の数が増える。今までも、女性は男性から話しかけてもらえることを待っていた.

それは今でも変わらないが、男性が草食化してきて、話かけるキッカケを掴めないことがあるので、そのチャンスを女性が仕掛ける。海外のように「そのバッグ素敵ですね」なんて話しかけられないので、手持ち無沙汰になったときにはフリスクやガムを渡して、少し和ませるのも有効だ。

結婚したくない人もいるとは思うが、一生一人で生きていくということを考えると、なかなか覚悟が決まらないものである。では、なぜ男性は結婚に踏み出せないのか?

それは、男性が養うという従来の考え方が未だに残っているから。では、女性が「あなたが無職になったら養う」と言ったら男性はどんな反応をするだろうか?

編集長はこんなことも言っています。『誰かに幸せにしてもらうんじゃなくて、人を幸せにできる人間になれ』『外見の美しさなんていつかは価値が下がるだろう。でもな、人を幸せにする力っていうのは、歳をとっても価値が下がることはない』

  • 婚活という目的に忠実になること。彼氏のような人ができたときに、曖昧な関係を続けるのではなく、結婚する意思はあるのか?を早めに確認しておく。もし、その意思が双方にないのであれば、早めに別れて、次の相手を見つけなくてはならない。

物語は、さやかが仕事先で出会った年下の男性と恋をして無事に半年以内に結婚できるというハッピーエンドを迎える。最後に敏腕編集長はまた名言を残している『大切なのはどんな選択をするかじゃない。自分が選択した人生を強く生きるかどうか。ただそれだけだ』

この小説は、ご存知の方も多いと思いますが、俳優の波瑠さんと伊勢谷友介さんが出演されたドラマの原作本です。私はドラマを見ていないのですが、本を読んだ時にファッションと絡めて婚活の話をしていく編集長の話に納得し、すんなりと理解できました。

 

難しい婚活本を読むよりも、この一冊を読んで必要なことを学ぶとおまけでハイブランドのことも勉強できて一石二鳥になります!